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山崎流マネーここに注目の記事「個人に債券投資は難しい」への疑問

読売新聞「山崎流マネーここに注目」に「個人に債券投資は難しい」という記事が掲載された。
記事の中で山崎元氏は「小口資金(数億円以下)という条件の個人は債券投資をしない方がいい」と主張。その理由として以下の点をあげている:

  1. 個人投資家の場合、国債以外の債券のリスクについて判断することが難しい。
  2. 取引単位が小さい個人顧客の場合、業者間の取引価格と相当の開きが出来る場合があり投資対象としても不利。
  3. 外国債券の場合は、上記に加えて為替の売買に絡む手数料(あるいはレート差)を抜かれるのでさらに不利。
  4. 分散投資が出来ないことなどは、債券に投資する投資信託を使えば回避できるが、投資信託の場合、信託報酬だけで債券の利回りの多くを食ってしまうので、妙味がない。

確かに最近流行の個人社債や外債の個別投資についての指摘は納得できる。ただ、山崎元氏は自著「超簡単お金の運用術」でも個人向け国債を投資検討対象に含めており、正確さを追求すると本記事とは矛盾が生じている。

ただ、債券投資信託の信託報酬については疑問が残る。例えばiShares・バークレイズ米国国債7-10年ファンド(IEF)とiShares S&Pシティグループ世界国債(除く米国)ファンド(IGOV)を半々づつ投資した場合、平均信託報酬は0.2%程度だ。「信託報酬だけで債券の利回りの多くを食ってしまう」というのはちょっと言い過ぎなのではないかと思う。

関連記事:
・楽天が包括的な海外債券ETF(IGOVとEMB)の販売開始

コメント
・本記事でも、個人向け国債(及びMRF)は投資対象としています。前著と矛盾というご指摘はあたらないと思うのですが…。どのようなことを矛盾とおっしゃっているのですか?教えて頂けるとありがたいです。
・債券投資信託の下りは「年率1%を超える信託報酬のファンドが少なくないので、注意したい」という部分が山崎氏の強調したいことだったのではないのでしょうか。
記事はいつも楽しく拝読させて頂いています。今後ともよろしくお願い申し上げます。
  • stern18
  • 2009/07/14 12:43 AM
個人向け国債に関してはよく読むとその通りですね。ご指摘ありがとうございます。債券投資信託については債券ETFまで考慮に入れられていない気がします。
  • ゆうき
  • 2009/07/14 12:52 AM
早速のご回答ありがとうございました。
ゆうきさんのように「誰が書いたか」に惑わされない批判的な分析は(自分の考えと一致するかはさておき)大変参考になります。
これからも鋭い分析をお願いします。
  • stern18
  • 2009/07/14 2:33 AM
山崎氏は株についてはETF(1306+TOKを薦めているのに 債券についてはETFを考慮に入れないていないというも不思議ですね
債券ETFも自ら所属する楽天証券で扱っているので 株と同じようにETFを薦めても良いような気がしますが...
  • hino
  • 2009/07/14 7:15 AM
確かに過去の発言からは債券ETFは考慮に入れられていないように感じますね。
今度インデックス界のミーティングでお会いするようなことがあれば、
その点どうお考えかお伺いしてみると良いかも知れませんね。

↓のような話を見ると、個人でも債券投資する意味はあるのかなと思います。
http://www.fund-no-umi.com/blog/2009/07/25-28c8.html
  • 通りすがり
  • 2009/07/14 10:34 PM
私は債券も投資しています。
資金の性格上、「減らしたくないお金」にはいいのではないでしょうか。
私は野村劣後、SMBC劣後、オカムラと「3年2%超」のものを買ってます。
発行体の倒産というブラックスワンはいるかもしれませんが、それを言い始めたら
銀行預金と国債以外なにも出来ないですよね。投信なんてもってのほかですよ。
(新生が劣後出したりしてきたら危険すぎて買えないですが。)
もっともブラックスワンの飛来に備えて、債券購入時には、分散を考えています。
その他に、高金利預金も新生・あおぞらと預金保険の範囲内でやってます。
ここ20年みても、日本株インデックスより、国内債券インデックス買ってたほうが
圧勝ですよ。
私は株で相当な評価損しているときも、CASH(高金利預金+債券ポート)が
あると思うと、心理負担がまだましでしたよ。全額株だったら、全資産がゼロになる
かのごとく恐怖を味わったでしょうから。
山崎さんに「個人に債券投資は難しい」の真意をもっと聞いてみたいです。
難しいというなら、株のほうがもっと難しいと思うのですがね。
  • Cloister
  • 2009/07/15 10:39 AM
外債ETFを利用するよりは海外の国債を利用する方が合理的だと思いますが、そもそも為替自体がゼロサムなのでリターンがリスクに見合いません。

国内の債券は個人向け国債か1000万までの高金利預金があれば十分だと思います。(MRFは元本割れのリスクがあります)
おそらく山崎氏のいいたいことは、社債や外債は中抜きの(見えない)コストが大きく、2〜3%の社債は+数%のプレミアムが本来あると言いたいのだと思います。
  • 預金王
  • 2009/07/15 12:43 PM
 債券の海外ETFは購入したことがありますが、人によっては債券の投信より不利な場合があります。多くの債券ETFは毎月分配ですが、分配金に外国税10%がかかります。外国税控除で帰ってきますが、総合課税になるので収入によってはかえって税金が高くなり申告しないほうが良い場合があります。外国税は高利率のETFほど問題が大きくなります。たとえば年利10%相当だと外国税がその10%なので評価額の1%ほどに相当します。したがって、信託報酬が1%以上の投信並になってしまいます。また、ETFでは価格が下がっても税金はかかりますが、投信では基準価額が下がったときの分配金は無税です。この点から債券ETFは信託報酬の少ない投信と比べて必ずしも有利ではありません。
  • calderana
  • 2009/07/15 12:51 PM
calderanaさん

私もその点は問題だと思っています。したがって、個人的には債券ETFよりもゼロクーポン債の方が良いと思っています。「隠れたコスト」と言っても、米国10年債の場合で0.2%程度ですので、それほど大きい手数料だとは思いません。
  • ゆうき
  • 2009/07/15 1:05 PM
まず、山崎氏は”利益相反関係?”を理由に金融商品を買っていない!これは、これで立派なことと思いますが・・・(↓)。
http://www.globis.jp/850
逆に、こういう理由で金融商品を買う気が無いのだから、自分で詳細に、実際の金融商品を調べているか疑問です。個人投資家の集まりで、「どこの金融機関の個人型401Kが良いの?」「鹿児島銀行!」「またマイナーなところ・・・」という会話があったとか?。今は、琉球銀行個人型401Kですが恐らくアップデートされたことも知らないでしょう。ご自分では投資コラムとかで個人型401Kを推奨しておられますが、実際、どの金融機関を使うかによってかなり”差”があると思いますが、これを知らない。机上の計算で401Kが、税制等々で有利なことは判っていても実践は・・・?

こんな感じですから、恐らく、頭から「大手証券=ボッタくり!」と鼻から決め込んでいるのではと思います。実際、大和では米ドル・ゼロクーポン債の売り買い、スプレッドは1.1ドル。例えば、顧客の売り84$、買い85.1$とか。つまり仲値は84.55$。ドルベースでの販売手数料はこの場合、0.55÷84.55=0.65%になります。このスプレッド、長期債でも同じみたいで、例えば50$、51.1$。よって1.09%。長期債を買う場合は、販売手数料が高くなりますが、その分、保有期間も長いでしょうから、年率換算では長短、同じような”率”になると思います。後は、往復の売買手数料、為替手数料等も考慮して、保有年数で割れば年率換算いくらか計算できます。但し、大和の場合は外国口座管理料3150円/年とられる。野村、三菱は無料だが、販売手数料が高い等、一長一短がありますが。それと、マイナー通貨だと高くなる傾向がありますけど。

まあ、言いたいことは

”机上の計算だけ”VS”実際の金融商品(実践)”

語弊は承知で言えば、マスコミに登場する”政治評論家”?実際に上手いこと言ってますが、それじゃ、実際に議員になって政治活動してもらって、それが上手くいくかどうか?

だいぶ辛口の批評になったのは承知の上で述べさせて貰いました。
  • Werder Bremen
  • 2009/07/16 12:18 AM
私もWerder Bremen さんと同感です。山崎氏については、以前は金融業界の中では辛口で良心的な方だと思って信頼しておりましたが、2008年初め頃から、エコノミストやダイヤモンド等に載っていた、山崎氏のコメントは結果的に相当外れてました。最近はもう読もうとも思いません。結果的にはその辺の証券会社の課長クラスと50歩100歩だと思いました。
 
  • 丹下ジョー
  • 2009/07/17 5:05 AM
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