高レベル放射性廃棄物処分で日本学術会議と経済産業省が対立

高レベル放射性廃棄物の処分方法を巡って日本学術会議と経済産業省が対立している。
日経ビジネス記事によれば、9月11日、日本学術会議が内閣府原子力委員会に対して「高レベル放射性廃棄物の処分について」という報告書を提出。「高レベル放射性廃棄物や使用済み核燃料については、現時点で、十万年の安全性を保証する最終処分(地層処分)を行うことは適切ではなく、数十年から数百年の期間、暫定保管をすべきである」との提言を行ったとのこと。

日本学術会議の提言に対し、10月24日、経済産業省は「最終処分の形態を明確に定めるのが国際的な共通認識」と否定的な考えを表明。放射性廃棄物は地下深く数万年間埋設する「地層処分」で最終処分すべきだと従来の方針を主張したとのこと(時事通信)。

論点は、放射性物質が漏れた場合に、地下水によってどの程度拡散されるかだ。日本原子力研究開発機構は「地圧で地底の岩石の粒子の間隔は密になり、深い所で地下水は1年に1ミリも動かない計算になる。多少早くても、放射性物質に汚染された地下水が地上に出てくるには長い年月を要し、その間に放射線レベルは下がります」と指摘。

一方で、地層処分問題研究グループは「地下水の流速は遅いと言われていますが、まだ不明な点は多い。実際、岐阜県瑞浪市の機構の地下研究施設では、立て坑の掘削で予想外の湧水がありました。現状で、地下水汚染は心配がないなどとはとても言えません」と反論している(毎日新聞)。

元内閣官房参与の田坂広志氏も「2011年4月に起きた福島県いわき市での震度6弱の地震の事例ですが、この地震によって地下水の変動が起き、住宅街の真中で毎秒4リットルにも及ぶ大量の地下水が湧き出てきて、一年半経っても出水が止まらない状況が生まれました。これも、将来の地震によって、地下水の挙動の大規模な変化が起こる可能性を示すもの」と主張している。

実際は、最終処分場所はおろか、暫定管理場所すら受け入れいる自治体がないのが現実だろう。各原発の燃料保管プールの貯蔵率は70%弱まで来ており、あと6年程度で満杯になるとの試算もあるという。各原発のプールで暫定管理するしかないというリスクの高い状況に陥る可能性が高いだろう。

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