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原発廃炉の引当金積立を廃炉後10年間延長へ〜次々に捻じ曲げられる会計制度

経済産業省が原発廃炉引当金の積立期間を10年延長し、廃炉費用を料金で回収できるようにする会計制度変更を模索している(産経新聞)。
記事によると、現在は運転終了時に廃炉引当金の積立額が足りなければ、電力会社は電気料金の原価には算入できない損失として不足額を一括計上する必要がある。それを運転終了後も10年までは積み立てを認め、引当金不足が解消できるよう改める。現在は原発の稼働が積み立ての前提だが、運転停止中も計上を認めるようにするとのこと。

今回の会計制度変更は、現時点で原発の廃炉を円滑に進めるために必要な措置だろう。しかし、これまでの引き当て不足に対する経営責任は不問になってしまうのだろうか。

福島原発事故以降、電力会社を巡る会計制度は、次々に捻じ曲げられてきた。東電の決算では、東電は原子力損害賠償支援機構からの交付金は負債とせず、除染費用も引き当てられていない。現在の東電の経営はバランスシートに計上されていない隠れ負債が大きすぎ、バランスシートから経営状況を読むことができない。

また、原子力賠償法は、責任集中の原則の下で東電に責任を集中し、メーカーの責任を不問にしているが、汚染水対策に巨額の財政支出投入が予定されている(ロイター)。株主や債権者の責任をとらずに、公的資金を次々に投入する根拠が不明だ。

だましだまし微修正を続けてきた東電救済・賠償負担スキームが、徐々にほころびつつある。株式会社という組織形態は、事故発生時に多額の賠償・除染費用が生じる原発の運営母体として不適切なのだろう。

関連記事:
・表面化しつつある東電救済スキームの矛盾

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