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理想のアセットアロケーション(資産配分)計算・分析

国内株式、国内債券、外国株式、外国債券などの各資産にどのように配分するかを決めるアセットアロケーション(資産配分)は、投資収益の8割を決定すると言われている。
ステップ1:アセットアロケーションを考えるときの前提を理解する

  • アセットアロケーションはその人のリスク許容度によって異なり、誰にとっても使うことのできる唯一の正解は存在しない。
  • アセットアロケーションの分配方法は過去のデータを使ってリスクと期待リターンを予測する技術であって、将来を保証するものではない(金融工学の限界参照)。
  • 投資の結果をコントロールしようと理論を突き詰めていくと、コントロールできないことが分かる。コントロールできないものにストレスを感じないようにすることが重要だ(なぜ長期投資ブロガーはマイナスの投資結果にストレスを感じないのか?参照)。
  • 住宅ローンなどの借金がある場合は、まず返済を優先すべき。借金返済は理論上最も有利な投資方法である(住宅ローン返済か?資産運用か?参照)。

ステップ2:リスク許容度を明確化する

  • リスク許容度は、「現在の資産+未来の総収入ー未来の総支出」によって決まる。
  • 具体的には、年齢(将来の勤労年数)、収入額、収入の安定性、住宅ローンなど借金の有無、家族構成(配偶者の収入、子どもの年齢)、健康状態、将来の年金額などによって異なる。

ステップ3:リスクとは何かを理解する

  • 投資におけるリスクは、収益率のバラつきの事で、標準偏差という尺度で測ることができる(正規分布という統計学理論を活用する)。
  • 1標準偏差は68.3%の確率で上下に動く範囲のこと。2標準偏差が95.4%の確率で上下に動く値幅で、これをもとに計算すると「不調なときのだいたいの年間の損失率=標準偏差−期待リターン」となる(もちろん用心のために3標準偏差をもとにするのもあり)。
  • 各資産の標準偏差は以下の通り。

国内債券:2.0%〜5.4%
国内株式:18.4%〜22.15%
外国債券:10.0%〜13.25%
外国株式:17.5%〜20.2%

データ元:
・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)
・国家公務員共済組合連合会(KKR)
・ニッセイ基礎研究所
・みずほ信託銀行

ステップ4:各資産の相関関係を理解する

  • すべての資産が常に同じ方向に動くとは限らない。資産を分散することで、リスクを低くすることが可能になる。
  • 最近では、各資産の相関関係はあまり見えにくくなっており、個人の資産運用においてこれを厳密に計算する意味は薄れてきつつあるかもしれない。
  • 具体的には、上記データ元で確認が可能。

ステップ5:期待リターンを理解する

  • 将来の予測リターンを期待リターンと呼ぶ。
  • 複数の資産を組み合わせたときの期待リターンは、加重平均で算出する。
  • 以下は上記同様に4つの金融機関が算出した期待リターン。特に外国債券と外国株式の期待リターンの幅は広い。KKRは外国債券の期待リターンを低く見積もっており、ニッセイは外国株式の期待リターンを高く見積もっている。

国内債券:1.2%〜4.6%
国内株式:4.2%〜6%
外国債券:1.05%〜6.1%
外国株式:4.15%〜10.8%

ステップ6:有効フロンティアを見つける

  • 同じリスクを取るのであれば期待リターンが最大化するような配分で投資するべきである。期待リターンが最大化される資産配分の組み合わせを「有効フロンティア」という。
  • 投資信託のガイド・ファンドの海ではネット上で簡単に有効フロンティアを見つけることのできるツールを公開中。

ステップ7:アセットアロケーションで悩む


例えば以下のようにアセットアロケーションの悩みは尽きない。
  • 生活防衛資金(非リスク資産)をどれくらいの割合で持つべきか:私は、資産運用の効率を最大化するために生活資金の3カ月分程度を原則としている。
  • 国内債券を持つべきか:私は、リスク許容度は高い方なので、国内債券はほとんど保有していない。
  • 国内株式をどれくらいの割合で持つべきか:世界株式市場における日本株の割合は1割程度、一方、ポートフォリオ理論で計算した場合の最適割合は4割程度(山崎元氏のオススメ資産配分比率は日本株4対外国株6参照)。
  • 日本以外の先進国株と新興国株をどのくらいの割合で持つべきか:新興国株の割合だが、株式市場ベースだと1.5割、GDPベースだと3割。理論上の最適割合は1割(新興国市場の投資比率はGDPベースか時価総額ベースか?参照)。
  • 外国債券をどれくらいの割合で持つべきか:海外株式を組み入れるポートフォリオでは、為替リスクが過大になってしまうため外国債券は不要との意見もある(外国債券の期待リターンが国内債券と同じであれば外債投資は不要なのか?参照)。

関連記事:
・管理人のポートフォリオ
・オススメの資産運用商品リスト
・資産運用ノウハウのまとめ

コメント
トラックバックいただいたサイト管理者です。
内藤さんの本「資産設計塾」は途中で飽きてしまってあまり把握してないのですが、こちらの記事で相関関係、リスク、期待リターンをどう考えればよいかスッキリわかってうれしいです。私などアバウトに日本債:日本株:外国債:外国株=1:1:1:1でいいんじゃないかと思ってました(^^;;;
トラックバックを頂戴しました。
外国といっても米欧中、アジア、南米、東欧など多岐に渡りますし、株といっても大型から小型、REITまであり、債券も国債・社債・ABSなどあります。国内・海外の株と債券という4フィールドで考えるのはもはや古い考え方ではないかとさえ、感じていますがどうでしょうか。私は資産を11フィールドに分類し、等価配分を目指していますよ。
The Asset Management Blogさん
コメントありがとうございます。おっしゃる通り、実際に投資を行うときには、4分野以上に細分化しますよね。

ただ、個人投資家がいきなり11分野にした場合、リスクと期待リターンの計算が難しくなってしまいませんか?もちろんプロが使うようなソフトがあれば別ですが・・・

まずは、4分野で分類して、その後に、各アセットの中で、さらに分けていくのが望ましいのかと。同通貨の国債と社債は、リスクプレミアムの違いだけで相関関係はほとんど1に近いですし、エマージング株式&債権は、好況時は、別々の動きをしますが、世界全体で流動性が低下するような不況時は、各市場の状況に関係なく同じように急降下することが多いようです。
  • Yuki
  • 2005/11/23 4:14 PM
トラバ、ありがとうございます。
極めて真面目で、有効なブログを運営されているのですね。
売る側、買う側双方のレベルアップが必要と思います。
また遊びに来ます。
よろしくお願いいたします。
  • okapi
  • 2005/11/26 3:54 AM
100万円で資産運用する予定なのですが、相談です。
日本株には30万(%)分配するつもりなのですが、
この場合、ETFを用いた方がいいでしょうか?
それとも投信のみのほうがいいでしょうか?

ちなみに10万はさわかみを買う予定なので、インデックスは
20万となります。
  • ビギナー
  • 2006/06/17 10:48 PM
ビギナーさん

まずは、ETFとインデックスファンドの購入手数料と信託報酬を比較してみてください。どちらのほうが安いですか?

ノーロードのインデックスファンドであれば、購入手数料はインデックスファンドのほうが安いかもしれません。信託報酬はどうでしょう?おそらくETFのほうが安いと思います。

購入手数料は買うときだけ、信託報酬は毎年かかるものなので、長期でお考えであればETFのほうが有利になると思いますよ。
  • ゆうき
  • 2006/06/18 4:49 PM
早速のご回答ありがとうございます。
内藤忍さんの資産運用本を見たら,100万円のポートフォリオではインデックスはETFではなく日経連動の投信だったので気になって質問したしだいです。

確認したらETFの方が断然信託報酬が安かったです。
出来高が多かったのと,TOPIXの方がより市場を反映してると思って「TOPIX連動型上場投資信託」を購入してみます
  • ビギナー
  • 2006/06/18 10:59 PM
はじめまして。
資産運用について考え始め、最近投資信託をはじめました。いろいろ調べているうちに”資産運用の80%はアセットアロケーションで決まる”と言われているので、理想的な配分を本やネットで調べてましたらこちらにたどりついた次第です。
突然で申し訳ありませんが、是非お聞きしたい事があります。
上のステップ3で示されている相関関係の数字から、リスクを導き出すには具体的にどのように計算すれば宜しいのでしょうか。
例えば、以下のような配分にした場合のリターンは5.2%になるかと思いますが、リスクはどの位になるのでしょうか。
国内株式:35%
国内債券:10%
外国株式:25%
外国債券:30%
宜しくお願い致します。

  • Toshi
  • 2006/11/06 8:12 AM
私は金融工学の専門家ではないので、個々のケースでの正確なリスク計算方法を知りません。誰か分かる方がいましたらお願いします。
  • ゆうき
  • 2006/11/06 9:28 PM
読者の方から2資産間の場合の計算式が掲載してあるページをご紹介いただきました。参考まで
http://kabu.himawari-group.co.jp/trade/fund/portfolio5.html
  • ゆうき
  • 2006/11/07 8:41 AM
ご回答ありがとうございます。
2資産間でも難しそうですね。これが4資産間となると想像しただけでも・・・・。
少しずつ勉強しながら、チャレンジして行きます。
  • Toshi
  • 2006/11/08 9:58 PM
こんばんわ、いつも勉強させていただいてます。
今年も終わりですが来年もよいお年を
さて、リスクとリターンの計算ですが2つの場合は式で簡単に求められますが、4分散の場合はエクセルで分散マトリックスを使ったほうが簡単です。
ただ、私はITの知識がないのでそのエクセルファイルをアップしたりネットで公開したりできません。ゆうき様さえよろしければ、ファイルをメールしますが。
これも結局は各資産の期待リターンや相関関係の数値をどこにおくかででてくる合計のリターンも標準偏差もかわってきます。
また、このコメントは不要なら消してください。
  • RUI
  • 2006/12/30 12:13 AM
RUIさん

ぜひ、送っていただけるとありがたいです。メールアドレスは下記のページに掲載しているので、よろしくお願いします。

http://fund.jugem.jp/?pid=1
  • ゆうき
  • 2006/12/30 12:26 AM
RUIさんから期待リターンと標準偏差を自由に計算できるエクセルのシート(XLSファイル)をご提供いただきました。ぜひ、ご活用ください。

http://buildpages.biz/risk.xls
  • ゆうき
  • 2006/12/30 8:54 AM
はじめまして

アセットアロケーションにおけるリバランス時の税について、バランス型ファンドを購入してお任せする場合と信託報酬を安くするために個別ファンドを購入して自らでアセットアロケーションする場合、バランス型ファンドが有利と思うのですが正しいでしょうか。

リバランスを行うということは、値上がりしたクラスを一部売却し値下がりしたクラスを買いますので、個人投資家では税金を支払うことになります。ファンド運用の場合は売却益から税を支払う(受益者は除く)と目論見書に記載されていません。

上記が正しければ、税金を支払うことによる複利効果の低減を考慮すると信託報酬が若干高くてもバランスファンドにお任せすることが長期的には有利と思います。
  • 美徳
  • 2007/01/14 9:50 AM
美徳さん

返答は以下の記事にしました。

http://fund.jugem.jp/?eid=234
  • ゆうき
  • 2007/01/14 10:27 AM
ステップ3の第3項目で「標準偏差が−0.5」というのは「相関係数が−0.5」が正しいですね
  • とおりすがり
  • 2008/09/03 4:07 PM
その通りですね。ご指摘ありがとうございます。修正しました。
  • ゆうき
  • 2008/09/03 10:21 PM
こちらの記事に「全張り」は通用しない、と言う風な
意見がありました

http://abraham-bank.com/archives/864

どう思われますか?
  • 国際分散
  • 2008/09/14 4:50 PM
国際分散さん
確かに世界的な相関が強まっているという見方は多く出ているし、国際分散も決して万能ではなくリスクはあります。
ただしそのサイトは自社の扱っているヘッジファンドをプッシュするために書いているので、そのあたりは十分に割り引いて受け止めた方がよいかと。

投資である以上はリスクはつきものだし。
  • アルビレオ
  • 2008/09/15 6:41 AM
国際分散さん

適切な分散を行わなければ分散効果が働かないのは記事のおっしゃる通りです。なお、分散投資の際にヘッジファンドの投資は必ずしも必要なものではないと思います。
  • ゆうき
  • 2008/09/15 6:13 PM
こんにちは、匠と申します。
いつも勉強させていただいてます。

アセットアロケーションにおける相関係数の非対象性について興味深い記事(タイトルは分散投資の神話)が今月の証券アナリストジャーナル7月号にあったので、参考になるかもと思いコメントさせていただきました。

これからも鋭い視点からの記事楽しみにしております。
よろしくお願いいたします。

  • 2009/07/01 7:40 PM
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あつまろです。 さあ、来年にむけてこの週末に 大掃除をして部屋の整理をするように 資産の状況把握を行いました。 (ただ、オンライン残高照会してエクセルに記録しただけですが) その結果、資産配分(あつまろ5大資産)は以下のとおりとなっています。 ※全資
  • あつまろのこだわり資産運用
  • 2005/12/19 1:01 AM
最近,諸先輩方のブログでポートフォリオを入力すると,リスクと期待リターンを計算してくれるエクセルのシートが相次いで公開されています.それぞれ,参照しているデータが微妙に違うようで,色々と結果が異なるようです.さらに,どうせなら可能な全ポートフォリオの
  • 徒然草
  • 2007/02/27 1:06 AM

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