国内上場ETFを使ってバンガードVTに近いポートフォリオ&維持コストを実現できるか?

国内上場ETFを使って経費率が0.17%のバンガードVTと同じ維持コストを実現できるかを検証してみた。
まず、Vanguard Total World Stock ETF(VT)の保有国別割合は以下の通り:

  • 米国:51.70%
  • 日本:7.90%
  • 英国:7.20%
  • カナダ:3.30%
  • スイス:3.00%
  • フランス:2.90%
  • ドイツ:3.00%
  • オーストラリア:2.50%
  • 中国:2.10%
  • 韓国:1.50%
  • 台湾:1.50%
  • 香港:1.30%
  • インド:1.10%
  • スペイン:1.10%
  • スウェーデン:1.10%
  • オランダ:0.90%
  • ブラジル:0.80%
  • イタリア:0.80%
  • 南アフリカ:0.80%
  • デンマーク:0.50%
  • シンガポール:0.60%
  • その他:4.40%

一方、上場インデックスファンド米国株式(1547)を53%、MAXISトピックス上場投信(1348)を8%、UBS ETF 欧州株(1386)を23%、UBS ETF MSCIアジア太平洋株(除く日本)(1390)を5%、iシェアーズ エマージング株ETF(1582)を11%で保有した場合の保有国別割合は以下の通り:

  • アメリカ:53.00%
  • 日本:8.00%
  • 英国:7.27%
  • カナダ:0.00%
  • スイス:3.27%
  • フランス:3.40%
  • ドイツ:3.24%
  • オーストラリア:2.99%
  • 中国:2.29%
  • 韓国:1.63%
  • 台湾:1.48%
  • 香港:1.33%
  • インド:0.85%
  • スペイン:1.17%
  • スウェーデン:1.10%
  • オランダ:0.94%
  • ブラジル:0.82%
  • イタリア:0.78%
  • 南アフリカ:0.88%
  • デンマーク:0.53%
  • シンガポール:0.62%
  • その他:4.36%

カナダ以外はほぼ近い割合で投資することが可能だ(カナダの分を他国に割り振っているので、全体的に若干多めの保有割合になっている)。このポートフォリオの維持コスト(税抜)は0.1717%で、バンガードVTに近いポートフォリオが、ほぼ同レベルの維持コストで実現できることが分かった。ただし、バンガードVTの保有銘柄が約7000銘柄なのに対して、このポートフォリオの推定保有銘柄数は約4700銘柄なのでやや少なめだ。

関連記事:
・米国・欧州株の国内上場ETFを使って格安先進国株ポートフォリオを自作できるか?

コメント
分析お疲れ様です。国内ETFの合成でVTの低コスト・ポートフォリオが再現できるのは朗報ですが、やはりVTの方がコスト的に有利だと思います。

というのも、米国ETFだと受取配当に係る米国での源泉税(10%)は確定申告で戻ってきますが、国内ETF(原資産が米国)の場合、内部的には源泉徴収されているのに還元を受ける術がありません。

VTの配当率は2%程度ですから米国源泉税は0.20%程度。これは隠れたコストとして国内ETFに掛っている筈です(国内ETFが配当しているか否かに拘らず)。
  • CHIBI
  • 2015/03/01 10:33 PM
組入米国株配当金の源泉課税についてはご指摘の通りですが、VTでも米国以外の銘柄の配当金については、各国現地で源泉されているかと。おそらく実質的な違いは米国株分の0.1%程度ですかね。
  • ゆうき
  • 2015/03/01 11:09 PM
なるほど、その通りですね。取引手数料は国内ETFの方が圧倒的に有利なので、毎月少額ずつ投資するといった場合には国内ETFの方が良さそうですね(一定貯まった段階でVTにスイッチ)。
  • CHIBI
  • 2015/03/02 6:08 AM
判った上で書いているのでしょうからつっこむのも野暮な話ですが。。。

ETF5銘柄を『自分で割合調整しながら購入する』面倒さをコストに含めれば、どれだけVTのコストパフォーマンスが秀逸かの証明にしかならんですね(汗)

自分でFoF作っているようなものですね。
  • ハイマージェ
  • 2015/03/05 8:24 PM
ハイマージェさん

ご存じと思いますが、上記のようなFoFを一度組成すれば、その後はほったらかしで株価はVTをトレースする筈です(リバランスは不要)。

というのも、VTのベンチマーク(BM)であるFTSE Global All Cap Indexは、地域ごとのウェイトを固定とかしていないので、例えば米国の時価総額が相対的に大きく伸びれば、その分、VTにおける米国ウェイトが高まります。

尤も、そうした最初だけのFoF組成さえ面倒な人も居るでしょうし、少額投資の場合には単元株の関係でVTを上手くトレースできないでしょう。

また、私自身は過去データを洗った結果、東証上場の外株ETFの多くが、BMを上手くトレースできていないと判断したので(BMにかなり負けている。表面的に見える信託報酬や税金の差以上に)、上記のようなFoF組成はしないですけどね(笑)。
  • CHIBI
  • 2015/03/21 9:28 PM
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