スペースシャトル「ディスカバリー号」を間近で見た〜再利用可能な宇宙船開発の誤算

国立航空宇宙博物館別館(ウドバー・ハジー・センター)では、スペースシャトル「ディスカバリー号」を間近で見ることができる。
スペースシャトルを目の前で下から見上げると、まず目に飛び込むのは底部に張り巡らされた黒い耐熱タイルである。一枚一枚形状の異なるタイルがきれいに張られている。

真ん中の部分は衛星や実験棟を収容する巨大な格納庫になっている。後部には3基のロケット噴射口があるが、背面は機体を輪切りにしたような角ばったデザインになっており、これが飛行機とはまったく異なる用途で作られていることが実感できる。飛行機は機体を含めた揚力で飛ぶため、後部も細長く尖っているからだ。

スペースシャトルを横から見ると、前部の操縦室、中部の格納庫、後部のロケットと機体が3部構成になっていることがわかる。ただ、宇宙から人間が帰還するだけだったらこんなに大きな格納庫やロケットをわざわざ地球に持ち帰る必要はない。スペースシャトルには機体の再使用が設計の基本にあったからだ。

大気圏突入時、機体は1600度もの熱に覆われるという。特に底部に最も負荷がかかるため、巨大な格納庫やエンジンの部分を含めてすべて耐熱タイルでカバーして大気圏突入に耐えなければならなかったようだ。

しかし、この耐熱タイルを含め部品の維持管理で想定以上のコストがかかったようである。当初、機体を再使用することで発射コストを抑える目的で導入されたスペースシャトルだったが、2度の爆発事故を起こし、結果的には135回の打ち上げで2090億ドルという莫大なコストがかかってしまった。1981年から30年の運用を経て、2011年にスペースシャトルの運用が終了した(ウィキペディア)。

私が幼少のころはスペースシャトルは憧れの対象であった。スペースシャトルの展示の前ではアメリカの子どもたちに交じって内心、私も大興奮だった。有人ロケットの場合、打ち上げ時は単なる筒だし、地球への帰還時は不格好な円錐形の物体だ。スペースシャトルに人気があるのは、打ち上げ時にも帰還時にも飛行物体としてのフォルムを維持しており、滑走路に車輪で着陸するからではないだろうか。

スペースシャトルは、残念ながらプロジェクトとしては失敗してしまったが、人々にストーリーを与えるフォルムとしては、非常に完成度が高いと思う。

関連記事:
・米国の国立航空宇宙博物館別館(ウドバー・ハジー・センター)に行ってみた

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