ギリシャの預金封鎖(ATM・海外送金・クレジットカード規制等)に抜け穴はあるか?

ギリシャ政府が国内銀行の休業を含む一連の資本規制を導入した(ロイター)。
記事によると資本規制の概要は以下の通り:

  • ギリシャ国内の銀行(外国銀行の支店を含む)は6月29日から7月6日まで休業。
  • 銀行ATMの引き出し上限は1日60ユーロ。
  • デビットカードやクレジットカードを使ったギリシャ国内の口座からの決済は可能。国内のネットバンキング取引は可能だが海外口座への送金は禁止。
  • 外国銀行発行の銀行カードを使ったATMからの現金引き出しは可能。
  • 上記以外の取引は、医療関係、年金支払い以外は禁止。

7月6日まで銀行休業とのことだが、果たして7日に銀行が再開するのだろうか。仮に再開したとしてもユーロで預金引き出しができる可能性は低いだろう。また、ATMでの引き出し上限は1日60ユーロとのことだが、すでに国内のATMの4割には現金が残っていないとの報道もあり(日本経済新聞)、60ユーロの引き出しができる可能性も低そうだ。

デビットカードやクレジットカードを使ったギリシャ国内の口座からの決済は可能とのことだが、すでにクレジットカードによる支払い拒否が多発しているようで(ウォールストリートジャーナル)、カードを使った貴金属や装飾品の購入・現金化といった単純な方法は難しそうだ。

ただ、ウェブサイトを通じてギリシャ国外のサービスでクレジットカードを使うことは可能なようだ。すでに仮想通貨ビットコインはギリシャ人から大量購入されている(ロイター)。ビットコイン市場はバブル気味だが、クレジットカードのショッピング枠を目いっぱい使った資産逃避はある程度可能だろう。(7月1日追記:ギリシャ国内発行のクレジットカードが国外ウェブサービスでの決済に利用できないとの報告も出てきた。ギリシャ経済危機でアップルサービスに問題発生参照)

6月28日、アテネ証券取引所は休場になるとのこと(日本経済新聞)。MSCIはギリシャが資本規制を導入した場合、MSCIエマージングマーケット指数から除外することを表明しており(ロイター)、おそらくギリシャ株は近々除外されるだろう。証券取引所の再開日は不明だが、銀行が再開しなければ決済がスムーズにいかないため6日以前の再開は難しそうだ。

これまで財政破綻した国は、新通貨を発行して決済を確保することが多かった。ギリシャの銀行はユーロを供給することができないため、ギリシャ政府は、銀行の休業期間中にドラクマを復活させて、ユーロ預金を強制的にドラクマに転換せざる得ないだろう。ギリシャ人はドラクマを受け入れたくないだろうが、ECBからユーロが供給されない以上、ハイパーインフレと共にドラクマを使わざる得ない。

今後、ギリシャの税制度がどうなるか分からないが、外国銀行の預金やギリシャ以外の株や債券に投資している人は、今のところ一定の資産保全は図れていそうだ。ただ、ギリシャで生活する限り、当分の間、決済や現金化に苦労することになるだろう。

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