新着記事/関連記事

なぜFRBは世界同時株安でも政策金利を引き上げようとしているのか?

世界同時株安が発生する中、FRBによる政策金利(FF金利)の引き上げ時期について議論が続いている。
今回の世界同時株安が暴落の始まりか、一時的な調整かはまだ分からないが、株価下落が続く中で政策金利が上昇する事態が生じる可能性がある。実際、ITバブル頃の日本では株価が暴落する中で政策金利が引き上げられる事態が生じていた。

日経225が2000年3月から下落を始める中、2000年8月に日銀が政策金利(無担保コール翌日物)を0.15%から0.25%に引き上げを開始(日本の政策金利の推移参照)。しかし、半年後の2001年2月には再び0.15%に戻してしまった。その後、日経225は2003年4月までの約3年間に約61%下落した(Yahoo! Finance米国版参照)。

株価暴落の中で政策金利の引き上げが生じてしまうのは、株価が世界のどこかで発生した景気後退に過敏に反応してしまうのに対して、政策金利は自国の経済指標に基づいて決定されることが多いからだろう。

現在の世界同時株安は中国の景気後退が原因と見られており、米国の足元の景気はそれ程悪化していない。米国の金融当局は、米国の景気悪化の際に金融政策の余地を残しておきたい思惑があるのだろう。ただ、そうした引き上げは短期で終了せざる得ないだろう。果たしてFRBはITバブル暴落における日銀の二の舞を踏んでしまうのだろうか。

関連記事:
・世界同時株安を受け過去の株価暴落時期とFRB政策金利の上下のタイミングを調べてみた

コメント
>半年後の2001年2月には再び0.15%に戻してしまった。その後、日経225は2003年4月までの約3年間に約61%下落した。
>果たしてFRBはITバブル暴落における「日銀の二の舞」を踏んでしまうのだろうか。

80年代の不動産バブルに対し、旧日銀法のよれば当時の日銀は旧大蔵省のいわば侍女だったので、金利引き上げに遅れバブルを抑制できず、後の崩壊につながったとか、00年代前半では、FedがITバブル崩壊後の失業率上昇に対応するために、過剰に金利を引き下げたため、住宅バブルを引き起こし、後の世界的な金融危機につながった、といった評価があるわけです。

ゆうきさんのご見識は、‘銀は、いわゆるITバブル最中に、デフレではあるが金利引き上げを行いさえすれば、後の03年4月以降の株暴落はなかった、Fedは、,魘儀韻箸掘∪こΔ粒価が高止まりしたことを確認した上で、国内の物価と雇用に関する指標につき総合的な判断、すなわち多少低インフレでも、または失業率は妥当なレベルに低下すれども雇用の質の改善が遅れていようとも、金利引き下げを行うべきだ、というようなことでよろしいでしょうか。
  • キセン
  • 2015/08/27 8:21 AM
ずいぶんと拡大解釈されていますが、そんなことは言っていません。

株価の上下と金利の上下には時にギャップが生じることがある、それは株価がグローバルな景気を先取りして動くのに対して、金利は足元の国内の経済指標に左右されるから、と言っているだけです。
  • ゆうき
  • 2015/08/27 9:44 AM
なるほど。

そうではなくて、ゆうきさんは、今回のエントリーで、日経平均の03年4月からの下落を、あたかも日銀の政策決定の失敗の結果であるかのような表現をしているわけです。

「日銀の二の舞」と悪く評していますからね。

そうであるから、ゆうきさんは、そのようなご見識なのか、とお聞きしているわけです。いかがでしょうか?
  • キセン
  • 2015/08/27 11:12 PM
なるほど。そういう意味では、結果的に見れば日銀が2000年8月の0.15%から0.25%への引き上げはタイミングを逸していたと思います。
  • ゆうき
  • 2015/08/27 11:18 PM
ご回答有難う御座います。

まず、「‘銀は、いわゆるITバブル最中に、デフレではあるが金利引き上げを行いさえすれば、後の03年4月以降の株暴落はなかった、」は、「‘銀は、いわゆるITバブル最中に、デフレではあるが金利引き上げを行いさえすれば、03年4月までの株暴落はなかった、」、「ゆうきさんは、今回のエントリーで、日経平均の03年4月からの下落を、あたかも日銀の政策決定の失敗の結果であるかのような表現をしている」は、「ゆうきさんは、今回のエントリーで、日経平均の03年4月までの下落を、あたかも日銀の政策決定の失敗の結果であるかのような表現をしている」と訂正いたします。失礼致しました。

なるほど、結果論ですね。

ついでにお聞きします。当時の日銀の政策決定(最初利上げ)の決め手は、コアCPIがデフレからディスインフレへ向かうとの予見性があった。しかし、過度のデフレは食い止めるも01年に入って再び利下げし、その後ディスインフレに向かうわけです(http://blog-imgs-17.fc2.com/m/a/r/marketwatcher/20110225113536c49.png)。一方、日経平均は03年上旬まで下落傾向にあった。

コアCPIを基準に見ると、この2回の政策判断のタイミングは絶妙だと思います。少なくとも08年の金融危機が顕在するまで、一連の日銀の政策決定は、コアCPIをみる限り、奏功している。そもそも日銀は物価安定を通じて国民経済の健全な発展を目指しています。この当時の日銀の判断は、やはり間違っていたとお考えですか?
  • キセン
  • 2015/08/28 12:26 AM
「日銀は、いわゆるITバブル最中に、デフレではあるが金利引き上げを行いさえすれば、03年4月までの株暴落はなかった」とは言っていません。「日銀が2000年8月の0.15%から0.25%への引き上げはタイミングを逸していた」と言っているだけです。仮に日銀が引き上げなくても暴落はあったでしょう。

中央銀行は足元の物価だけを見て機械的に動けばよいのではなく、将来の物価見通しにしたがって政策を決定する必要があります。ただ、将来の物価見通しを予測するのは非常に難しいため、「結果的に見れば」と申し上げた次第です。
  • ゆうき
  • 2015/08/28 7:58 AM
なるほど。これでようやく当方の違和感が解消したのですが・・・ならば、ゆうきさんは、結局当時の日銀の政策決定と03年4月までの株価下落との関係性をお認めになっておらず、単なる結果論なのですから、「日銀の二の舞」も何もないですね。

それから、当方とて当時の日銀も現在の日銀も、よくも悪くも「機械的に」政策決定しているなどとは考えていません。それはともかくとして、多少辛辣な言い様で申し訳ないですが、今回のエントリー自体がナンセンスだと思いました。

何故ならば、仮に国内の株価推移と日銀の政策判断との何らかの関係性を問うもしくは評価するのであれば、白川前総裁時代の08年以降からが適切だからです。黒田日銀の政策でもある「信用緩和政策」、すなわち買いオペの枠を超えて日銀が市中からETFやREITなどのリスク資産を買い入れることで、国債利回りとリスク資産の利回りの差であるリスクプレミアムを縮小(すなわち、資産価格を本来よりも低い水準(リスクプレミアムが拡大した水準)から本来あるべき水準にも戻)させ市中にマネーを増大させる効果を目指す政策は、現在よりもその量は少ないとはいえ、また、黒田日銀のようにあからさまに資産効果を狙ったわけでもないとはいえ、08年の白川前総裁時代から始まっているからです。

また、ゆうきさんの既定する期間であえて問うならば、01年から始まり現在まで続く「量的緩和政策」、すなわち伝統的な公開市場操作(買いオペ)の枠を超えて(すなわち、操作を金利からマネタリーベース(日本銀行券+民間金融機関の日銀当座預金)に切り替えて)日銀が民間金融機関から国債を買い取ることで、民間金融機関の保有するマネーを増大させる効果を目指した政策による過剰流動性が、当時や現在の株式市場に何らかの影響を与えたもしくは与えるのか否かも問われて然るべきだからです。

そういう意味では、偏にゼロ金利政策に焦点を合わせた今回のゆうきさんのエントリーは、議論として無理があり、全体としてミスリーディングだとも思いました。
  • キセン
  • 2015/08/28 9:10 AM
ついでに、はっきり申し上げておきます。

一連の内外における中銀による金融政策と株価などの資本市場との関連性なり関係性を、何であれ問おうというのであれば、まずは、金融論における「金利」政策の資本市場に対するトランスミッションメカニズム、ゼロ金利下における金融政策の是非と影響などの基本論点を、それなりの教科書に当たって昇華(消化)されてからなさったほうが宜しかろうかと存じます。このような講学上の基礎知識なきままだから、今回のような生煮えな議論や曖昧な回答や結論しかできないのだと思いました。

みるべきものがみれば、その稚拙さは言論として致命的です。

ゆうきさんは、数多の個人投資家の間において、健全なオピニオンリーダーの一翼を担われている存在だと思っていますので、今回は、ネット上ではありますが、あえて苦言を呈した次第です。
  • キセン
  • 2015/08/28 9:09 PM
ご指摘ありがとうございます。日銀が量的緩和を導入したのは2001年3月からですが、利上げを行った2000年8月には導入されていません。私が指摘したのは2000年8月の利上げの是非ですが、そこに量的緩和の話や白川、黒田の話を持ち出す理由が不明です。
  • ゆうき
  • 2015/08/28 9:46 PM
>日銀が量的緩和を導入したのは2001年3月からですが、利上げを行った2000年8月には導入されていません。私が指摘したのは2000年8月の利上げの是非ですが、そこに量的緩和の話や白川、黒田の話を持ち出す理由が不明です。

端的に申せば、ゆうきさんが株価と「短期」金利の関係性につき拘ったエントリーをアップされたから。しかし、株式を始めとする資本市場との関係性をあえて問うのであれば、これらと「長期」金利との何らかの関係性を探究すべきことは、講学上の常識だからです。これが意味不明というならば、どうぞこれを機にお勉強下さい。

ここにゆうきさんが資本市場と「短期」金利との関係性を見事に見出すことができたならば、講学上の作法としての常識を180度覆すような大「事件」であって、それは金融学会などで発表されてもおかしくないほど興味深いものとなることでしょう。これは、申し訳ありませんが、ここまでのやり取りでご理解いただけなかったことに対する皮肉です。

結局これだけのことですが、ここにあえて蛇足ながら申し上げます。

利子率をコントロールすることで物価の安定を目指す伝統的な金融政策である金利政策の究極の形で、政策金利をほぼゼロにすることで、日銀から民間金融機関へのマネーの流れを増大させる効果を目指したいわゆる(厳密にはゼロではないが、)「ゼロ金利政策」は、速水元総裁下で99年2月から始まります。その後、その後、00年8月に一旦解除され、2001年3月に再度導入され、2006年7月に解除。そして、2010年10月に3度目の導入がなされ、現在に至ります。

この間、日経平均は、いわゆるITバブルとその崩壊、米国の不動産バブルや信用市場におけるバブルなどとその崩壊といういわば大津波に晒されることになります。このような大津波を含むチャート上の波とこの間の我が国の日銀による一連の「金利」政策とに、あえて何らかの関係性を問う意味がありますか?加えて、(現在取り消し線が引かれてはいますが、)結果論として、「日銀の二の舞」などとあたかも一連の「金利」政策の株価に対する失敗を所与とするかのような評価が妥当ですか?

以上につきいずれも、意味がなく妥当ではないならば、今回のエントリーはミスリードです。

遅れましたが、ご出産おめでとうございます。お子さんの健やかなご成長をお祈り申し上げます。

失礼致しました。
  • キセン
  • 2015/08/31 8:54 AM
ちなみに、証券業界関係者が、内外の中銀の「金利」政策の動向とその株式市場への影響などにつき、四の五の伝播させているのは、単なる彼らのポジショントークに過ぎません。市場を動かすためのいわゆる燃料(材料)投下でしょう。

ヤジが議会の華ならば、これは市場の華か。振り返れば、仇花のほうが断然多いように思う次第です。

しかし、こういういわば悪意のあるミスリードは、本当に頂けませんね。
  • キセン
  • 2015/08/31 9:11 AM
デフレ下で利上げした日銀の判断が間違いであることなど、もはや議論以前の問題でしょう。
アメリカは現在デフレではありませんが、ディスインフレ状態にあり、利上げを急ぐのはおそらく間違いであろうと私は思います。そういう意味で、「果たしてFRBはITバブル暴落における日銀の二の舞を踏んでしまうのだろうか。」という危惧は妥当であり、撤回の必要はないように思います。
  • dell
  • 2015/09/03 11:28 PM
コメントする




   

コメント欄の更新状況をRSSで通知する
この記事のトラックバックURL
トラックバック

サイト内検索

新着記事の通知

人気記事(はてなブックマーク数)

トピックス

最近のコメント

  • 軽自動車の規格見直しが求められている理由〜世界のミニマムクラスとのギャップ
    ヤマト (11/19)
  • 「つみたてNISA」口座と「iDeCo」口座をどの証券会社で開設するか?
    ハイマージェ (10/19)
  • 「つみたてNISA」口座と「iDeCo」口座をどの証券会社で開設するか?
    ゆうき (09/30)
  • 「つみたてNISA」口座と「iDeCo」口座をどの証券会社で開設するか?
    ハイマージェ (09/30)
  • 債券7割のバランス型ファンドが「つみたてNISA」対象ファンドで良いのか?
    ゆうき (09/27)
  • 債券7割のバランス型ファンドが「つみたてNISA」対象ファンドで良いのか?
    AKI (09/27)
  • 生活防衛資金の目安はいくらか?〜投資デビュー時の最低貯蓄額を考える
    ゆうき (09/19)
  • 生活防衛資金の目安はいくらか?〜投資デビュー時の最低貯蓄額を考える
    パイン (09/17)
  • 金融庁へ「個人投資家からの税制改正要望」(NISA制度等)について意見を提出
    オーナーTH (08/09)
  • 分譲マンションとねずみ講の共通点〜新規顧客を集めないと破たんするビジネスモデル
    ゆうき (06/08)