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なぜGPIFは運用実績の公表日を恣意的に遅らせることができるのか?

例年7月上旬に公表されている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用実績の公表日が、今年は7月29日に設定されたことが問題になっている(ハフィントンポスト)。
2015年度の運用実績は約5兆円の巨額損失が想定されていることから、公表日を恣意的に参院選後に遅らせたのではないかとの疑惑が出ている。

しかし、GPIFの新しいポートフォリオにおいて5兆円程度の評価損が生じる確率は、1標準偏差(68.3%の確率)の範囲内であり(GPIFの国内債券比率が35%へ〜年金運用の損失が7.6兆円以上になる確率は16%程度に参照)、騒ぎ立てるような一大事ではない。

もし、この程度の損失で政府・与党が選挙に影響すると考えているのであれば、それは国民のリスク許容度と現在のGPIFのポートフォリオにギャップがあることを自ら認めていることになる。そうであればGPIFのポートフォリオのリスクを引き下げた方が良いことになる。

また、 最も公共性の高いファンドであるGPIFの運用実績の公表日が明確に定められていないこと、しかも決算日より3か月を大きく超えていることに驚きだ(有価証券報告書は決算日から3か月以内の提出が義務)。 上場会社や投資信託の決算報告はその期限が厳格に定められており、原則として公表日を恣意的に遅らせることは不可能だ。

金融商品は金融庁、公的年金は厚生労働省がそれぞれ監督しているが、その説明責任の求め方に大きなギャップが生じているのは不可解だ。GPIFという「身内」に甘すぎる姿勢は改めるべきだろう。

関連記事:
・政府がGPIF新ポートフォリオの信頼区間95%(2標準偏差)の最大損失額を21.5兆円と答弁

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