株式市場再編に関する議論が的外れな理由〜問題は機関投資家の画一的なベンチマーク?

11月20日に金融庁の金融審議会「市場構造専門グループ」の会合が開催され、株式市場の再編案が議論された。

当日の配布資料によれば、現在5つある市場(東証1部、東証2部、マザーズ、JASDAQスタンダード、JASDAQグロース)を以下の3つの市場に再編する案が示された。

  • プライム市場(仮称):主に東証1部から構成
  • スタンダード市場(仮称):主に東証2部とJASDAQスタンダードから構成
  • グロース市場(仮称):主にマザーズ、JASDAQグロースから構成

再編の背景として、以下の課題があげられている。

  • 各市場区分のコンセプトが曖昧であり、多くの投資者にとって利便性が低い。
  • 上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けの点で期待される役割を十分に果たせていない。
  • 投資対象としての機能性と市場代表性を兼ね備えた指数が存在しない。

そもそも、お上が市場を区分したからといって、投資家がその区分通りに行動するわけではない。ましてや、審議会で提示された案だと、既存の1部上場企業は企業側が市場を選択できるようにするらしいので、市場区分としてほとんど意味がない。

JPXにはすでに多くの指数があり、「市場代表性を兼ね備えた指数が存在しない」という認識はおかしい(リアルタイム株価指数値一覧を参照)。指数がないのではなく、機関投資家のベンチマークが画一的で、十分に流動性のあるETFが限定的なことが問題なのではないか。

下手にお上が市場を区分しようとするから政治的駆け引きや忖度が生まれてしまう。目的別に適切な指数があり、それらの指数に連動した流動性の高いETFと投資信託があれば、市場はひとつで十分だ。

長期インデックス投資家としては、TOPIXよりも投資銘柄数を減らして、その分運用コストを抑えたTOPIX500とかTOPIX1000に連動する投資信託ができるのであれば、非常にありがたい。

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