新着記事/関連記事

生命保険・医療保険の選び方

人生の中で住宅の次に高い買い物と言われている生命保険の賢い選び方をまとめてみた。
生命保険には、死亡した時に支払われる死亡保障、病気になった時に支払われる医療保障、老後に備える貯蓄保証がある。

1. 死亡保障の必要額

  • 独身時及びこどものいない家庭は、葬式代を払う金融資産がない場合、自分が死亡した後に両親の生活支援が必要な場合を除いて、死亡保障は必要でない場合が多い。死亡保障はこどもが生まれた後に必要になることが多い。
  • 死亡保障の必要額は、「その後の生活に必要なお金」と「その後に収入が見込めるお金」の差額である。

その後の生活に必要なお金の算出方法:

  • 「その後の生活に必要なお金」は、「こどもが独立するまでの基本生活費+こどもが独立後の基本生活費+その他に必要なお金」で算出する。
  • 「こどもが独立するまでの基本生活費」は、「家族4人の基本生活費(年額)の7割程度(生活スタイルによる)×年数」で算出する。
  • 「こどもが独立後の基本生活費」は、「家族4人の基本生活費(年額)の5割程度(生活スタイルによる)×年数」で算出する。
  • 「その他に必要なお金」は、「こどもの教育費+自動車購入費+住宅修繕費+葬式費用」で算出する。

その後に収入が見込めるお金の算出方法:

  • 「その後に収入が見込めるお金」は、「遺族年金+死亡退職金+手持ちの資産+想定される運用収益+相方の収入(育児による減収が想定される場合は考慮)+相方の年金」で算出する。
  • 遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金がある(日本年金機構
  • 遺族基礎年金は、こどもの数によって異なるが、1人の場合、そのこどもが18歳になるまで年間100万円程度が妻に支払われる。
  • 遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた場合に支払われる。支給額は、被保険者の標準報酬月額×1.7×相方の平均余命の年数
  • その他に中高齢の寡婦加算、老齢基礎年金がある。
  • 死亡者が勤めていた会社に退職金制度がある場合は、死亡退職金が支払われる。

上記の差額を補完するのが、生命保険の死亡保障である。

2. 医療保障の必要性

医療費の自己負担額:

  • 健康保険の加入者は、高額療養費制度によって医療費の自己負担の限度額が設定されている。人によって異なるが、多くの場合、月額約8万円の限度額を超えた分が後ほど払い戻される。詳しくは、社会保険庁ウェブサイト参照。
  • ただし、入院中の食事代(1食260円)、差額ベッド代、健康保険適用外の「高度先進医療」は自己負担。諸費用として、家族の病院までの交通費、お見舞いのお返しなどの費用がかかる。
  • 会社員の場合は、収入減少分の約6割が社会保険から傷病手当金という形で1年半支給される。自営業の場合は傷病手当金はない。

医療保障の必要性:

  • 医療保障は手術時や入院時に支払われる保険。ただし、支払い限度額はシビアに設定されており、例えば1入院60日限度型の保険だと、日額1万円の設定であっても1回の入院で60万円程度が支払の限度。医療保険の1入院の限度には45日、90日、120日、180日、360日、730日、1095日など様々だが、日数が長くなれば長くなるほど保険料が跳ね上がる。
  • 医療保険の保険料のうち、実際に支払われているのは5割未満。医療保障に入る経済合理性は低い。
  • ただし、金融資産が少ない人(金額は一概に言えないが)にとっては医療保障は有効。

3. 貯蓄保証の必要性

  • 一般的に貯蓄型の保険は投資信託等の金融商品と比較して手数料が割高であるため、老後の備えは通常の金融商品で運用を行った方が合理的である。
  • 保険会社が倒産した場合は、養老保険の一部は帰ってこない可能性が高い。

4. 定期型と終身型の選択

  • 定期型は、一定期間ずつ同じ保障内容で更新する保険。当初の保険料は比較的安く抑えることができる。終身型は保険期間を定めず、一生涯にわたって保障が続き、かつ保険料は加入時のまま変わらない保険。
  • 死亡保障の必要額は、こどもが独立する前と後では大きく変わるため、一般的に20年以上の定期で契約することは経済合理性が低い。

5. 掛け捨て型と積み立て型の選択

  • 満期時に満期保険金や満期返戻金のあるものが積み立て型、ないものが掛け捨て型である。
  • 積み立て型は支払った保険料の一部が運用にまわされているだけ。かつては非常に有利な予定利率で運用されていたこともあるが、現在では自分で運用した方が手数料が割安で経済合理性がある。
  • 保険会社が倒産すると養老保険や終身死亡保険の一部は帰ってこないことが多い。

6. 保険の手数料

  • 保険料のうち、保険会社の販売や事務などにかかるコストを付加保険料という。
  • 付加保険料はほとんどの生命保険会社で公開されていないため、一概に比較することは難しいが、死亡保障の場合、ネット生保と既存生保の間では2倍以上の開きのある場合もある。
  • したがって、死亡保障であれば、ネットライフ生命ネクスティア生命で契約する方が合理的である。

7. 生命保険と税金

  • 生命保険に関連する減税措置として、生命保険料控除と生命保険金控除がある。
  • 生命保険料控除は、所得税において最大10万円、住民税においては最大7万円の控除が受けられる仕組み。詳しくは国税庁ウェブサイト及び各自治体のウェブサイト参照。
  • 生命保険金控除は、死亡保険金や満期保険金を受け取るときに、相続税、贈与税、所得税などから控除される仕組み。詳しくは、国税庁ウェブサイト参照。

※本記事は資産運用ノウハウのまとめに収録している。

関連記事:
・内藤眞弓著「医療保険は入ってはいけない」はすばらしい
・生命保険はだれのものか?〜生保業界の構造問題を一刀両断!

コメント
私もそう理解しているのですが、例えば下記の保険
http://www.nissay.co.jp/okofficial/kojin/syouhin/seiho/ichiji/mystage.html
を資産運用オンチの親族に説得することが出来ませんでした。ゆうき様ならどう具体的に説得されますか?
  • CAPM信者
  • 2009/02/01 5:29 PM
死亡保障についてですが、「その後の生活に必要なお金」は、年を経るごとに減少していくものなので、逓減型の保険もいいかなと思っています。
  • 衣笠
  • 2009/02/01 11:20 PM
CAPM信者さん

まず、相続税を支払わなければならないような試算をお持ちの場合は、相続税対策として終身の保険に入ることは有効だと思います。

あと保険の場合、論点はたくさんあるので、どのポイントで説得するかによって説得の方法は異なると思います。
  • ゆうき
  • 2009/02/01 11:52 PM
ゆうき様、ご返答ありがとうございます。

>まず、相続税を支払わなければならないような資産をお持ちの場合は、相続税対策として終身の保険に入ることは有効だと思います。

その親族は相続税を支払わなければならないような資産を持ってはいないですね。
税理士法の兼合いがあり、ゆうき様のご迷惑になるかもしれないので、一時所得と20%源泉分離課税。生命保険料控除額などの話は避けますが、特殊な例ではないですね。
独身ですし、保険に入る経済合理性は低いとは思うのですが。

>あと保険の場合、論点はたくさんあるので、どのポイントで説得するかによって説得の方法は異なると思います。

論点「貯蓄代わりにこの保険はなるのか」
説得「保障と貯蓄を分けて別途運用したほうが良い」
論戦として、何年か後に銀行の金利が増えても、保険の利率は今のままでしょうから
長期運用には向かない、短期運用だと3年ぐらいは元本割れになる。
(返答)短期には解約しないし、予定利率も見直しがあるから同じ。
予定利率と銀行利息は違う。(返答)話が理解できない。
具代的に、個人向け国債とネット銀行+ネット生保か共済で生成し比較したかったが資料不足により断念。投資信託等の金融商品と比較してもできなかった。
(返答)ネットに詳しくないので利用できない。義理・人情がある保険代理店のほうが良い。
以下、経済合理性の論点から外れていき、社会規範・市場規範論議になりましたね。
  • CAPM信者
  • 2009/02/02 3:40 PM
いやあ、ウェブはだめといわれてしまうと、あとは、個人向け国債くらいしかないのではないかと。
  • ゆうき
  • 2009/02/02 8:34 PM
MONOQLO 2010年6月号に『保険辛口通信簿』ダメ保険も実名掲載との記事がありました。ワースト部門に挙がる商品に近づかないことが重要ですね。
  • CAPM信者
  • 2010/04/25 1:04 PM
コメントする




   

コメント欄の更新状況をRSSで通知する
この記事のトラックバックURL
トラックバック

サイト内検索

新着記事の通知

人気記事(はてなブックマーク数)

トピックス

最近のコメント

  • ジュニアNISAの利用者数が低迷〜ジュニアNISA制度の必要性を問う
    Bobおじさん (03/09)
  • スーモの賃貸・購入比較の試算はアンフェアではないか?
    Willy (01/26)
  • 資産運用の無料相談掲示板 (2)
    マサル (01/13)
  • 資産運用の無料相談掲示板 (2)
    ゆうき (01/11)
  • 資産運用の無料相談掲示板 (2)
    マサル (01/11)
  • 金融庁が導入検討中の「積立NISA」が年間投資上限40万円・非課税期間20年で決着
    ハイマージェ (12/10)
  • ドコモのガラケーから楽天モバイルの格安スマホ「Huawei P9 Lite」に機種変更
    ゆうき (10/23)
  • ドコモのガラケーから楽天モバイルの格安スマホ「Huawei P9 Lite」に機種変更
    ハイマージェ (10/22)
  • ドコモのガラケーから楽天モバイルの格安スマホ「Huawei P9 Lite」に機種変更
    ゆうき (10/22)
  • ドコモのガラケーから楽天モバイルの格安スマホ「Huawei P9 Lite」に機種変更
    あきお (10/22)